バドミントンのハイクリア動作における姿勢・関節トルク解析による肘関節の負担推定

バドミントンでは,シャトルを打つ際や肘を伸ばした際に肘関節に痛みを伴う人がいます.また,投球動作やスパイク動作により,肘関節に繰り返しが加わることで,靱帯が損傷して,肘を外側に動かすことで痛みが生じることがあります.本研究では,バドミントンにおける肘関節の負担を定量化・姿勢による影響を調査し,肘関節の負担軽減の検討を目的として,姿勢・関節トルクを解析しています (Fig. 1) 

Fig. 1:実験の様子

 

実験では,バドミントンの研究の中でもあまりされていないハイクリア動作に焦点を当てました.実験の被験者はバドミントンの熟練者,肘に痛みを伴う中級者,初心者としました.姿勢の計測には光学式モーションキャプチャであるOptiTrackを使用し,足裏にかかる力や場所の計測にはフォースプレートを使用し,関節の負担を推定する関節トルクは解析ソフトであるDhaibaWorksを使用しました 

Fig. 2:計測結果

計測したデータからバドミントンのハイクリア動作中の姿勢や関節トルクを解析した結果肘に痛みを伴う人は軸足側へ大きく傾いた姿勢をとり,スイングの振り終わりの際に肘に負荷がかかっていることが分かりました.結果から,肘に痛みを伴う人は全身の姿勢が熟練者と異なるため,振り終わりのタイミングで肘関節の負担が大きくなったと考えました (Fig. 2) 

今後は,今回確認できなかった骨や筋肉による関節への影響を調査し,肘関節に負荷がかかる原因を追求しようと考えています. 

棚間荷物移動動作中の視線解析に向けたVR環境における胴体姿勢と足裏CoPの解析 

近年,少子高齢化や人口減少に伴う労働力不足が社会問題となっており,解決策として代替労働力や生活支援を目的としたヒューマノイドロボットの開発が進められています.ヒューマノイドロボットが自然で効率的な家事動作を実現するためには,視覚情報と動作の関係を正確に把握し,適切な行動設計をする必要がありますそこで本研究では,家事動作である棚だし動作について,箱の中のおもりの重さを変化させた際の腰を使用する速さとCoPが移動する速さの関係性について解析することを目的とします 

Fig. 1:計測環境

実験では,横に並ぶ2つの棚について左の棚から右の棚に箱を持ち上げて移動する際を持つ動作と箱を置く動作に着目して解析を行いました仮想環境ライブラリにUnity3Dを使用しHMDにHTCVive Pro2 Eyeを使用しています動作計測のためにフォースプレート,光学式モーションキャプチャシステム,Vive Trackerを使用して計測を行いました 

Fig. 2:解析結果

箱を持ち上げる動作をするとき,箱の中のおもりがないときと比較して,おもり10kg のときは腰を前屈させてからCoPが最も前方に移動するまでの時間を要しました.したがっ て,重い荷物を持ち上げる際,腰を最も前屈させる準備姿勢になってから力を発揮するまでの準備時間が必要だと考えられます. 

今後は,おもりの重さによって有意差が出た家事動作の視覚情報と動作の関係性を解析することを目標とします.