スレッドカイトと垂直軸風車を用いた空中風力発電の研究

現状の風力発電では高空の強い風を得るために巨大な鉄塔とブレードを持つ風車を使用している.自然破壊や騒音公害をもたらすそれら施設に対し,飛翔物を上空で飛行させることで強い風を得るシステムを構築する.

上空でエネルギーを取得するためにスレッドカイトと呼ばれる柔翼とテールを持つ凧と風向による取得できるエネルギーの変化が小さい垂直軸風車を利用する.

定格6Wの小型発電機と直径30cmの垂直軸風車を用いた実験において最大約600mW,1時間の連続発電に成功した.

 

Publication

  1. 東浦 邦弥, 形川 雅文, 長尾 晃一朗, 高橋 泰岳, スレッドカイトと垂直軸風車を用いた空中風力発電実験, 風力エネルギー利用シンポジウム, 2019, 41 巻, p. 146-147
  2. 高空風力発電のためのヒステリシス制御によるカイト飛行の検証,近藤智行,形川雅文,高橋泰岳,長尾晃一朗,東浦邦弥,第40回風力エネルギー利用シンポジウム, pp.417-420, 2018.12.05
  3. 連凧を用いた小型高空風力発電の試み -連凧を用いた高空風力発電実現のための計測システムの開発-, 近藤智行,高橋泰岳,遠藤大希, OS0201-05, 日本機械学会関東支部第23期総会・講演会講演論文集, 2017.03
  4. High-Sky Wind Energy Generation on a Tethered System, Hironori A. Fujii, Hiroshi Okubo, Yasutake Takahashi, Yusuke Maruyama, Tairo Kusagaya, Shigeo Yoshida, Kazuo Arakawa, Hiroki Endo, Kenji Uchiyama, Kazuichi Seki, Takeo Watanabe, Proceedings of Airborne Wind Energy Conference 2017, p.136, 2017.10
  5. Experimental Setup to Study Airborne Wind Energy Generation Using a Train of Kites, Hiroki T. Endo, Kazuo Arakawa, Gonzalo Sánchez-Arriaga, Hironori A.Fujii, Hiroshi Okubo, Yasutake Takahashi, Proceedings of Airborne Wind Energy Conference 2017, p.154, 2017.10
  6. 高空風力発電用航空プラットフォームに用いる対称翼型カイツーンの検討,草谷大郎,藤井裕矩,関和市,大久保博志,高橋泰岳,真志取秀人,遠藤大希,山本広樹,冨田匠,渡部武夫,丸山勇祐,田中真里,笹原雄二郎,第39回風力エネルギー利用シンポジウム, pp.420-423, 2017.12.7
  7. カイトとプロペラ式風車を用いた高空風力発電の試み,形川 雅文,近藤 智行,高橋 泰岳,第39回風力エネルギー利用シンポジウム, pp.414-415, 2017.12.7
  8. カイト型テザー係留飛行ロボットと昇降機能付きマウントを用いた高高度風力計測システム,轟 千明,近藤智行,高橋泰岳,日本機械学会関東支部第22期総会・講演会,OS0203, 2016.3
  9. カイト型テザー係留飛行ロボットを用いた小型風力発電システムの試み, 近藤智行,高橋泰岳,小島令子,日本機械学会2016年度年次大会講演論文集,G1500401, 2016.9
  10. 福井大学インタラクティブ・ロボティクス研究室, 高橋泰岳, 日本風力エネルギー学会誌, Vol. 39, No.4, pp.591-594, 2016.2
  11. 高空風力発電研究の紹介, 藤井裕矩, 大久保博志, 新川和夫, 草谷大郎, Rob Stroeks, 髙橋泰岳, 遠藤大希, 渡部武夫, 丸山勇祐, 中嶋智也, 浅生利之, 関和市, 日本風力エネルギー学会誌, Vol. 39, No.4, pp.535-545, 2016.2
  12. テザー係留型飛行ロボットのための大型地上制御ユニットの開発,轟千明, 高橋泰岳, 岡本明, 加藤万寿夫, 山崎敏夫, 田中史朗, 濱上雄大, 中村恭之,ロボティクス・メカトロニクス講演会2015, 2A1-F02, 2015.05
  13. 高高度モニタリングシステムのためのカイト型テザー係留飛行ロボットを用いた昇降機能付マウントの開発, 近藤 智行, 轟 千明, 高橋 泰岳, 日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015 第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会 講演論文集, pp.15-16, 2015.11, 奨励賞受賞
  14. カイト型テザー係留飛行ロボットのための昇降機能付マウントを用いた高高度モニタリングシステム, 近藤智行,轟千明,高橋泰岳, 第37回風力エネルギー利用シンポジウム予稿集, pp.411-414, 2015.11
  15. Acquisition of Human Operation Characteristics for Kite-based Tethered Flying Robot using Human Operation Data, Chiaki Todoroki, Yasutake Takahashi and Takayuki Nakamura, Proceedings of 2015 IEEE International Conference on Fuzzy Systems (FUZZ-IEEE 2015), #15220, 2015.8
  16. Fuzzy Control for a Kite-Based Tethered Flying Robot, Yasutake Takahashi, Tohru Ishii, Chiaki Todoroki, Yoichiro Maeda, and Takayuki Nakamura, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, Vol.19, No.3, pp.349-358, 2015.05, http://hdl.handle.net/10098/8804
  17. 人の操作を規範としたテザー係留型飛行ロボットの制御方策の獲得, 轟千明, 高橋泰岳, 中村恭之, 知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌), Vol.27, No.6, pp.864-876, 2015.12, http://doi.org/10.3156/jsoft.27.864
  18. テザー係留型飛行ロボットの開発と自律飛行制御,石井徹,轟千明,高橋泰岳,前田陽一郎,中村恭之,ロボティクス・メカトロニクス講演会2014,2A1-A04,2014.5
  19. テザー係留型飛行ロボットのシミュレータ開発,轟千明,高橋泰岳,中村恭之,日本知能情報ファジィ学会第22回北信越支部シンポジウム講演論文集, S32, pp.31-32, 2013.11
  20. Tethered Flying Robot for Information Gathering System, Tohru Ishii, Yasutake Takahashi, Yoichiro Maeda and Takayuki Nakamura, IROS’13 Workshop on Robots and Sensors integration in future rescue INformation system (ROSIN’13), November 7th, 2013 (PDF)

熟練工の動作模倣による高圧配管用継手内部のバリ検査

Figure 1:バリ発生箇所

ブルドーザーなどの建設機械に使用される「高圧配管用継手」(Figure 1)には制作時に高確率で切削バリ(削り残し)が発生します.このバリを残したままにしてしまうと建設機械の誤動作の原因となってしまいます.

Figure 2:熟練工のバリ検出の様子

現在は,Figure 2のように,熟練工が全ての継手のバリ検査を行なっており,作業者に大きな負担がかかっています.このことから,バリ検査の自動化が必要となっています.

Figure 3-1:光の入れ方が適切な時の画像
Figure 3-2:光の入れ方が不適切な時の画像

 

 

 

 

 

 

 

バリ検査の自動化のためには,継手内の撮影も自動化する必要があり,その際に,継手への照明の光の入れ方が重要となります.例として,上のFigure 3-1は光の入れ方が適切な時,Figure 3-2は光の入れ方が不適切な時の継手内画像になります.見て分かる通り,右の画像ではバリが認識しにくくなっています.

このことから,継手に対する適切な照明の位置姿勢を,熟練工のバリ検出動作をロボットアームで模倣することで探索する研究を行なっています.

 

Figure 4:バリ検出動作の計測の様子

 

熟練工のバリ検出動作をFigure 4のようにモーションキャプチャシステムを使用して行い,熟練工がバリを見ているときの照明の位置姿勢として,照明の位置姿勢が停止している点を抽出しました.

 

 

Figure 5:抽出した位置姿勢での撮影の様子

Figure 5のように実際に照明を装着したロボットアームを,抽出した位置姿勢へ移動させて継手内の撮影を行いました.

 

Figure 6-1:撮影された継手内画像
Figure 6-2:バリ検出結果

 

 

 

 

 

 

 

Figure 6-1のような撮影された画像をバリ検出をした結果,Figure 6-2で分かるようにバリの形を認識しています.この研究の結果,先行研究と比べて,バリを見逃してしまう確率を減らすことができました.

現在は,より検出精度の高い照明の位置姿勢を機械学習によって探索するシステムを作成しています.

Publication

  1. 高圧配管用継手のバリ検査時の熟練工の動作模倣,吉田悠大,高橋泰岳,築地原里樹,日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム2020 第29回 北信越支部シンポジウム & 第29回 人間共生システム研究会 講演論文集,pp. 1-2,2020.
  2. 熟練工の動作模倣による高圧配管用継手内部のバリ検査,吉田悠大,高橋泰岳,築地原里樹,ROBOMECH2021, 2P3-A07, 2021.