カイトを用いた空中風力発電のためのカメラ画像による状態推定およびテザー運動情報を用いた解析

カイトを使用した空中風力発電の研究は世界的に行われており、有用性が示されています。カイトによる風力発電の発電効率を上げるにはカイトのみかけの風速を上げることが必要であり、そのためにカイトを上空で8の字を描くように左右に揺動させることで発電効率を上げられます。カイトをこのように自動で制御するためにはカイトの状態を推定する必要があり、先行研究ではカイトの状態をカイトに搭載したセンサ機器を使用していますが、墜落時の安全性を考慮し、本研究ではカイト自身にはセンサ機器を搭載せず、地上に設置したカメラ映像による情報のみでカイトの状態を推定します。 

上記の画像は実験中の画像になっており、車の荷台にカイトを撮影するためのウェブカメラ、画像処理を行うためのPC、カイトを制御するためのPC、カイト制御器を設置しています。実験は自然風がある場合は画像のように車を停車させて実験を行い、自然風がない場合は車を走らせることでカイトを飛行させて実験を行いました。 

Fig. 1:画像処理中のカイトの画像

画像処理では初めにカイトに対して深層学習による物体認識アルゴリズム(yolov8)を使用してカイトの領域を抽出しました。その後、抽出した領域を楕円で近似して算出した楕円の傾き角度をカイトの姿勢角としました。そして、算出したカイトの画像上でのx座標y座標、カイトの姿勢角の3つの情報を使用してカルマンフィルタを適用し、カイトの状態推定を行いました。Fig. 1 の四角形の中心がカイトの中心座標になっており、短い直線が向いている向きがカイトの進行方向を示しています。また、赤色による線は深層学習によって算出したカイトの状態であり、緑色の線はカルマンフィルタの予測による状態を示したものになっています。これらの画像処理から推定したカイトの姿勢角をもとにカイト制御器を操作し、カイトに制御を与えることでカイトを制御しています。